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追い詰められた狂気
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気が狂いそうになった。気が狂っている人間を見ていると、気が狂いそうになる。 この映画は延々と長く感じた。追い詰められ、気が狂いそうになる155分。 実際の戦争はもっと長い。155分どころか、何ヶ月も何年も続いた。 3時間足らずの映像が語る狂気に押し潰されそうになりながら、 これを観ながら何を思えばいいのかすら解らなくなりそうな重さを受け止めていた。 ズンと重くなった肩に酷く疲労感を覚えた。
この映画を観る前には、少々予備知識が必要かもしれない。 時代背景やヒトラー、ヒトラーの側近に対する基本的な知識があったほうが、内容を深く読み取れると思う。 正直なところ、知識が余りない上に説明があまりない状態で人物が多数登場するため、非常に難解だった。
ヒトラーの人格に関しては諸説あると思うが、 この作品中でも女性と目を合わせる時の優しい目と口調を持つヒトラーと総統として指揮するヒトラーの2面性がとてもよく描かれている。 内面の測り知れない奥深さも、とてもリアルに描かれていたように思う。
ヒトラーという人物が世界的な歴史から見た時に非難されることは間違いないと思うが、 当時のドイツ内でヒトラーに対する疑いのない忠誠心は類を見ないもののように思った。 ベルリンに残った市民の中には、最期までヒトラーを「光」として信じていた人間も描かれていた。
これは、戦争を卓上の論理で考える人間達と前線で血を流す人間達のギャップ、 そして敗北を目の前に正気を失った人間を目で見て理解することができる作品だ。
最後に足りないスパイスを一振り
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細かい設定に関する疑問は抜きにして、世界観に溶け込めるかどうかが評価の分かれ目になりそうな作品だ。 ストーリー展開のテンポが良く、音楽も良かった。 表現力豊かな映像の質はとても高かったと思う。 豪華な声優陣はとても魅力的で素晴らしかった。 林原めぐみ、古谷徹、大塚明夫等は存在感がまるで違う。
ただ、何となく思うほど満足感が得られなかった感が後に残る。 映像の質とは別にして、ありきたりな映像と展開にあまり新鮮味を感じなかったせいだろうか。 「夢」を舞台にするなら、もっと何でもありに表現できる気がした。
パプリカと千葉敦子の関係をもう少し説明してくれても良かったと思う。 二人は全く違う側面を持っているので、パプリカが千葉敦子の分身というには少し違和感を覚える。 パプリカは千葉敦子という人格と全く別物なのか、それとも千葉敦子の一部なのか。 「最後に足りないスパイスを一振り…」で解決する最後の意味は正直、あまりよく解からない。 『パプリカ』とは一体…何だったんだろうか。
もう少し芯のある侍魂が見たかった
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随分とへっぽこな侍魂を見せてもらった。何だ、これは。 「命をかけて、守りたい愛がある。」という割に、最愛の人間をあんなアッサリと疑い、見限って何が愛なのだろうか…。 「俺の知っている加代は死んだ。」なんて酷いものだ。 失明してからというもの弱音の連続で、自暴自棄も甚だしい。
『剣術を教える夢』を語る下りはあるのに、特に執着する姿勢も見受けられず…。 島田藤弥という明確な悪役が決定するや、それを倒して、見限った妻も戻り、めでたしめでたしなんて。 武士であれば、もう少し自身を見つめ、自分に厳しくあってほしかった。 島田を斬りたいという想いは「武士の一分」というほど、カッコイイものだっただろうか。
檀れい、笹野高史は地盤を脇から固めるような演技がとても光っていた。 加代の精錬された作法の手つきや柔らかい仕草がしっかりしていて、巧かった。 そういった細かい一つ一つが献身的な妻像をしっかりと形作ってくれ、木村拓哉の演技を支えていたと思う。 木村拓哉は、ドラマでもそうだがやっぱり「木村拓哉」の域を出ないようだ。 先入観が手伝っているのか、木村拓哉はどこで見ても「木村拓哉」に見えてしまう。 それは役者として演技する上で、とても残念なことだと思う。





















