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2006年12月の記事一覧

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神様のボートの行方は分かれる

2006.12.29
神様のボート

   結婚すると、お互いの所有物が一緒になる。本やCDなど、中には重なってしまったりするものもある。一方で、自分の知らない本が棚に並んでいたりする。そんなわけで、結婚してからというもの、奥さんが持っている本を端から読んでいる。奥さんは、江國香織をよく読む。

   『神様のボート』を最近、読み終わった。母と娘の視点で交互に描かれる構成が面白い。「私」と「わたし」で母と娘の人称を使い分けている。江國香織の表現は、漢字とひらがな、英語表記とカタカナの使い分けというかバランスがとても面白いと思う。

   この話の結末は、解釈がいくつかあるようだ。私と奥さんは、見事に意見が割れた。奥さんは文字通り受け取り、あの人と再会を果たしたと解釈したそうだ。私が最初に読んだ感想としては、妄想を抱きながら死んでしまったのではないかと解釈した。本を閉じて、その先にある話のつづきを想像した時、まるでイメージの違う作品になる。解釈を読者に委ねる幅が大きく、答えなど決まっていない。全体を通して、現実的な描写の繊細さと豊かさが際立つ面白い作品だった。

   余談になるが、上の画像はハードカバーの『神様のボート』。奥さんの本は、ハードカバーが多い。通勤電車で持ち歩くには、少々重たい。
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