
ぞわっとする読み応え。日常生活はリアルに描けば描くほど、ホラーそのものになるようだ。夫婦の間にある距離感とか温度感といった目に見えないものがとてもよく伝わってくる。その表現の中で、実感できる断片に触れれば触れるほど、毛が浮くような怖さを覚えた。
長年愛し合う二人が夫婦として一緒にいる、というキレイ事よりも、経済的なしがらみや精神的なしがらみの中で、夫婦という形を継続しているというほうがよっぽど現実に近いことだろう。でも、夫婦なんてそんなもの…としては捉えたくないものだ。言葉が通じない、毎年増える赤い長靴、それでも離れない二人…ぞわっとする読み応えだった。