2007年07月の記事一覧
悲しきドン・ファン、ビル・マーレイ
2007.07.22

ビル・マーレイの演技は余白があって面白い。目の動きや言葉を発するタイミング、仕草…。その間を繋ぐだけで台詞以上に多くを語り、映画全体を構成していく。ビル・マーレイの巧さが光る。
ビル・マーレイ扮するドン・ジョンストン(実在の女性遍歴の多い「ドン・ジョンソン」と引っ掛けている)と隣人のウィンストンのやりとりが絶妙。「思い当たる元彼女のリストを作れ」というウィンストンに「作らない」と答えながら、リストを作ったり、「元彼女に会ってこい」という旅の提案に「絶対に行かない」と答えながら、バスに乗っていたり…。そういうドンの言動と行動のアンマッチな流れが非常に楽しい。
結局のところ、元彼女の姿がちらつき、元彼女の娘の裸がちらつき、秘書の太ももがちらつき、猫が自分を見つめる姿がちらついた後、旅の終わりに何もない、それがこの映画の醍醐味か。『ブロークン・フラワーズ』…「ズ」と複数形になっているところを見ると、誰を指しているのかはちょっと憶測が難しい。
終始、曇天に包まれた空模様がこの映画にとてもよく似合っていた。




















