2007年10月の記事一覧
2007.10.13 傷つきやすく、真っ直ぐな二人に心が温まる
2007.10.08 妻の死に隠れた愛と信念
2007.10.08 2分割で斬新な演出が二人の内面を映す
傷つきやすく、真っ直ぐな二人に心が温まる
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アスペルガー症候群のような分類の症状は非常に難しい。 映画『17歳のカルテ』に出てくるボーダーライン(境界性パーソナリティ障害)もそうだが、 いわゆる「普通の人」との堺は非常に曖昧だ。 毎日の通勤列車を見ていれば判ることだが、「普通の人」なんていうのは本当に少ない。 ちょっとオカシイ人?変な人?なんていうのは山ほどいるからだ。 人と触れ合うことに不器用だったり、一つのことに異常に熱中したり、 他人から見て些細なことがある人にとってとても重要だったりすることは、 至って「普通」に思えて仕方がない。 そもそも、「普通」である必要性なんてないし、「普通」がそれほど魅力的かは判らないのだが。
自閉症同士の恋愛、なんていうフィルターのせいで少し特異に映るかもしれないが、非常に真っ直ぐな話だったと思う。 不器用で、傷つきやすい二人の真っ直ぐな恋愛。 彼女の「ハッ!」という短く大きな笑い声はあまり好きではなかったが、 動物好きの動物的な彼女は「アスペルガー症候群」どころか情熱的で自由で大きく見えた。 不器用で、感情に戸惑う不安定なドナルドを演じるジョシュ・ハートネットがなかなかの好演だった。
妻の死に隠れた愛と信念
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妻テッサの死を辿って判っていくことは、限りない夫への愛とアフリカに生きる子供たちを救いたいと願う強い信念。 彼女の本当の姿に近づいていくにつれ、悲しみと強い愛に心が痛む。 飛行機に乗る最後の場面で、妻テッサが言っていたことと同じ言葉を夫ジャスティンが口にした時、本当の意味で彼女を理解しただろう。
この作品がサスペンスかラブストーリーか、どう評価されるにしろ、現実を知る引き金になればいいと思う。 自国と己の営利のために目論まれた大きな歯車をどうにか止めようとする人間と、 どうにも止められずにそれを土台に成り立っている文明社会の現実を痛切に伝えている。 それがこの作品の終わり方だったと思う。 全てを知った気にならなくても、何かを知るきっかけになれば、それはとても重要なことだ。
2分割で斬新な演出が二人の内面を映す
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左右を2分割したフレームで構成される斬新な表現に驚かざるを得ない。 まさか…終始2分割なのか?と戸惑い、見づらさに閉口気味だったが、 段々と2分割されたフレームに引き込まれるようになった。 巧い、の一言だ。
画面を2分割することで、男側と女側の視点を同時に描いている。 二人の再会から会話が始まり、時々二人の思い出が入り混じる。 頭の中で思い返される過去、胸中の想いを互いのフレームの中で表現する。 人は同じ瞬間に同じものを見ていても、感じる事や考えている事が違う。 そんな感触を映像として実感する事ができる。 二人の記憶に残る思い出のズレや、思い出に浸るタイミングの違いなども面白い。 左右の画面がピタッと重なり、一枚の絵になる瞬間…そんな演出がニクイ。
時間を超え、二人の距離を取り戻しながらも、現実の生活を冷静に捉えるヘレナ・ボナム=カーターの姿勢がとても大人だ。 感情の揺らぎと想いを抑え込みながら、今の現実に対応する「大人の女」。 二人の過ごしてきた時間を台詞や表情だけでなく、映像としてリンクしながら捉えることができるおかげで、 「再会→セックス→別れ」という一見駄目そうな二人を奥の深い所まで理解できる。 別々に乗り込んだタクシーの左右の画面がピタッと重なり、一枚の絵になる瞬間…そんな演出がこれまたニクイ。




















